工事実施計画その1|工事範囲の決定
建物の劣化状況の調査・診断報告書に基づき、大規模修繕の為の実施計画書である設計図書を策定します。その策定の内容は、修繕工事を実施する範囲とその数量、補修・改修の工法と仕様、修繕工事に掛かる費用の概算、修繕時期等を網羅したものです。
調査・診断の結果に基づき下記の事項を考慮して工事範囲を決定していきます。
維持保全の為の工事 |
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グレードアップの為の工事 |
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各部位の修繕周期
工事実施計画その2|資金計画
まず、どんな場合でも「先立つものはお金」です。工事範囲や工事時期が決定したら早急に資金計画を立てることが肝要です。修繕資金の不足で必要工事を縮小したり、延期したのではせっかくの計画も台無しになってしまいます。長期修繕計画に基づく資金計画も早期にスタートさせる必要があります。
次に、不足金の資金計画案について列記しておきます。
修繕積立金で工事を実施する場合
全額修繕積立金で賄えるのが一番です。しかし、資金が不足しているが時間的な余裕がある場合は、長期修繕計画を見直し、修繕積立金を増額するなどして無理のない方法で計画を修正します。
各戸一時負担金で工事を実施する場合
不足金を各戸の一時負担によって賄う方法です。当然のことながら、できるだけ負担を軽減する方策をたてる必要があります。分割方式の採用や工事ローンの紹介等も配慮する必要があります。
特別修繕積立金制度で工事を実施する場合
大規模修繕工事後は解消することを前提として、通常の積立金の他に実施年まで分割して積み立てる方法があります。コンサルタント等のアドバイスを受けてみると良いでしょう。
管理組合の借入資金で工事を実施する場合
借入資金には管理費未収率や工事金額、修繕積立金等の条件があります。